医療法人としてクリニックの法人化
クリニックを法人化する場合、一番スタンダードなのが、『医療法人』です。
これは、医療法に根拠をもつ法人で、個人による病院経営の経済的困難を、医療事業の経営主体に対し、法人格取得の途を拓き、資金集積の方途を容易に講ぜしめること目的としたもので、医業における非営利性を損なうことなく、医療機関の経営を安定化・永続化の実現を図る制度です。
その他の法人形態についても、ご相談を受け付けております。 一般社団法人を活用したクリニックの法人化のページもございますので、ぜひご覧ください。
クリニックの医療法人化までの流れ
保険診療を行うクリニックの医療法人化お手続きの流れは以下のようになります。
管轄の都道府県によって事前打ち合わせや仮申請等の名称は異なりますが、流れはほぼ同じです。
医療法人化を検討するときに注意したいこと
医療法人化の検討を始めたときに注意が必要なのは、管轄の都道府県にもよりますが、受付は年に2回ほど、しかも受付の期間が限定されている、ということです。
参考 例年 埼玉県の場合:予備審査申込 4月、9月 群馬県の場合:事前協議 3月、7月、11月 栃木県の場合:事前協議 3〜4月、9月〜10月 茨城県の場合:書類郵送 5月、10月 東京都の場合:説明会(令和3年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のために中止) 仮申請受付 8月、3月
また、法人化に際するお手続きは、準備期間〜完了まで8ヶ月〜9ヶ月ほどかかることも忘れてはいけません。
認可申請前に、決して少ないとは言えない書類の作成・取得はもちろん、クリニックの建物賃貸借契約などの権利関係を法人化後も引き続き継続してもらえるよう、契約の相手方にお願いし、必要があれば覚書を取り交わす必要があるため、事前相談等に行く前から調整・準備が必要です。
また、クリニックが、法人化する(※開設者が『医療法人社団○▲☆』となる)のは、”保健所からの許可後開設したとき”なのですが、開設後10日以内の届出が義務となっている開設届出や保険医療機関指定申請など法人化したことにより改めて法人として申請し直さなければならないお手続きもあるため、どうしてもお手続完了まで時間がかかります。
クリニックによって改めて法人として申請しなければならないお手続き例 ▶︎
・結核指定医療機関の指定
・生活保護の指定医療機関の指定
・麻薬に関するお手続き
なども含まれます。手続きによっては法人化の前の段階より申請窓口と調整が必要となりますのでご注意ください。
手続内容の性質上、弊所では申請書類の様式の取得と記載方法サポートのみとさせていただいているお手続きもございます。
その後の手続き
そして、法人化した後にもことあるごとに法人としての行政手続きが必要となります。
・役員変更(重任も含む)があった場合の届出
・事業報告等の届出
・登記事項に変更があったときの届出
・新たに診療所等を開設する、役員定数の変更、既存診療所の拡張 等
定款の変更をする必要がある場合には都道府県知事による定款変更の認可申請
また、承継・分割は設立認可と同じく年に数回しかタイミングがありません。
そして、都道府県により1〜2年を要することもあります。
定期的に必要となるお手続きはもちろん、ご自身のやりたいことを中長期的な視点で計画をしていくことが必要となります。
詳しくはこちら ▶︎ 医療法人の運営
最後に
ここまで、個人開設から医療法人での開設までの流れや注意点などを簡単に記しました。
実際に面談をさせていただくと、よりそれぞれのクリニック・先生に合わせてお話しができます。
弊所では、医療法人設立に向けたご相談につきましてご相談料はいただいておりませんので、ぜひお気軽にお問い合わせください。